溶解大陸

アニメの感想とか書きたいなあ

「日記の書き方」と「テキスト」

帰宅してPCを付けて気づいた。悲報、俺、ブログを書くことに飽きる。飽きるというよりも、書くことが何一つ見つからなくなってしまった。気が狂ったようにほぼ毎日あれだけ更新していたが、どうやら俺はここら辺が限界らしい。毎日欠かさず更新しているサイトとか、信じられない。本当に尊敬する。気分が乗った日に2日分書き溜めておいて、気分が乗らない日には日記のストックから引っ張りだしてコピペ更新しているのではないかと疑っている。というよりも、俺が不運にも毎日更新を宣言してしまっていたとしたら、絶対にそうしている。そうしたところで毎日更新なんて2週間ももたないだろうけど。

正直もうね、日記なんて書き方忘れましたよ。俺の脳の一体いかなる部分が過去の日記を生み出していたのか、今となっては理解できない。俺自身にすら俺のことが皆目理解できない。24年間生きてきましたよ。それでもさっぱり。つい3日か4日前の自分についてすら思い出せない。完全に今の俺とは別人。少なくとも、日記という記録を読む限りでは今の俺とは別人。一体どこの誰が好き好んでこんな無意味なテキストを書いたというんだろうね。そいつの人生のつまらなさを想像すると、本当に笑えてくる。こんな長文を書いてネットに載せちゃうような人って、社会ではつまはじき者になっているんだろうなあ。笑っちゃうなあ。俺はこんな訳の分からないこと書いてる人間とは違うから、もっと内容のきっちりとした、質の高い日記を書くんだ。起承転結を意識しような。なんでも勢いだけでなんとかできると考えるのはやめろ。

てか、本当にこれまでの書いたのは俺なのだろうか・・・いまいち自信が無くなってきた・・・心の声を解放しすぎ。現実で起きた出来事から目をそらして、インターネットに自分の感情を吐露しすぎ。俺、そういう人間じゃないでしょ。もっとまともなはず。もう少しパブリックな物であることを意識した文章を書いて頂かないと、こちらとしても困るんですよ。本当に聞いてるんですか?なんで俺はそういうことができないんですかね?一体いくつの黒歴史を量産すれば気が済むんですか?もう少し、理性を伴った文章ってもんを書いてくださいよ。

というか、自分で作った物や書いた物なんて、いくら意識して整えていこうと思っても、一度ネット上に公開してしまったらほぼ全て黒歴史と化すんじゃなかろうか。公開直後は満足していたとしても、5年後10年後の自分から見たら絶句するほど恥ずかしいことをやってるのかもしれない。日記とかテキストなんて、実際そういうものじゃない?絵や音楽なら上達の具合が分かりやすいけど、文章なんて上達してるんだがしてないんだがいまいち分からないしさ。俺の経験が少ないだけかな?まあいい。そもそも過去の日記を読んだのが間違いだった。恥ずかしくなるに決まっているからだ。正直、その時々ではまぁまぁ限られた時間で自分のやれる限りのことはやってるようなつもりだから、実際どうしようもないんだよね。もうね、過去の恥ずかしい日記を自分が書いた物として認めたくない気持ちはもう仕方がない。諦めよう。全て受け入れて行くしかない。

あっ、気づいた。今気づいたんだけど。日記を書くのなんてね、思い切りの良さですよ。「えいっ」と一歩飛び出す勇気。日記を書いて公開するのに必要なことの全てはこれです。それさえあれば質はともかく量は稼げるよ。どうにでもなーれ、という気持ちが大切。その上で、気分が乗った時はたくさん書き、乗らない時は適当に好き勝手脳内にあることを書き出して、バンジージャンプするときのような気持ちで更新ボタンを押せばOK。だいたいそれで解決する。細かいことを気にしてはいけない。というか、あれなんですか?もしかして、テキストサイトが「日記」と「テキスト」の枠にコンテンツを分けている理由ってこれ?何も考えず脳内にあることを書き出していくのが日記で、少しは脳を使用して気合入れて書いたのがテキストということ?いま、はじめてテキストサイト管理人の気持ちが分かった気がする。読者として日記とテキストを同様の目線で読んでいたから気づけなかったけど、管理人側からすればそういう意図の違いがあったのか・・・自分でブログに日記というものを2週間近く書いてみて初めて分かった。力の入れ方が違うのだろうな。


普段書く日記で脳を使うことを要求されたら、続くわけがない。仕事から帰ってきて、人に必要な物って癒やしじゃない?そういう”質”のことを考えながらテキストエディタに向かうなんて、考えてみれば土台無理な話だった。要するに、日記なんてものは脳内に渦巻いている何かを日本語の形にして吐き出してしまえば。何も考えなくていいのである。だから、日記に飽きたも糞も無いのだ。なんだか徐々に、日記の書き方が分かってきた。
俺たちが社会の中に居るうちは、頭に思い浮かぶ色々な思いにフタをして生きている。そのフタをすっと取り外し、あとは流れに身を任せてしませばいいのだ。ほら、なんか、そうこうしている内に日記っぽい何かがこうして出来上がってきたでしょ。明日以降の俺よ、どうかこの日記の書き方を忘れずに居てもらいたい。脳を使おうとしちゃ、いかんぞ?俺との約束な。


というかさ、同じ手法で小説も書けるんじゃね?小説が書けないというのは、理性のどこかが自分にリミッターをかけているからなのでは、という気がする。気負ってしまうから書けなくなるのだ。それならば、日記のときと同じように、何も考えず、何も気にせずに流されるままに書いていけばいつの間にかそれっぽいのが出来上がってるんじゃね?という訳で試してみよう。何か取っ掛かりが欲しいな。そうだ。昨日のVテキ本スレにあったテーマがちょうどいいじゃん。というわけでプリンで書いてみまーす。習うより慣れろじゃ!!

・・・

って、あれー?書けない。一体どうなってるんだ?書けないぞおい!書けないあまり、さっきの日記状態に戻ってきてしまった。心情を吐露するモードに帰ってきてしまった。なんかこう、違うのか?創作、っていうのは。日記を書くときとは違うのか?物語の世界に入らなきゃならん感じ?そういうモードにならなきゃならん感じ?さっき試してみたけど、マジで入れないわ。こっちの何も考えずキーボードを叩いてる時の方が百万倍楽。でも、いつまでも楽な方にばかり流れている訳にはいかないんだよな。結局のところ、テキストの中でも最も人に訴求力を持つのって小説じゃない?とすると、やっぱりテキストサイトというものを経営していくにあたって、そういうものの一つや二つ書けた方が有利ってもんでしょ。さっき書いてたコンテンツの分類でいうと、”日記”ではなくて”テキスト”の方に入れられるような文章も書けなきゃならない。そっちも書けるようになったら色々とパターンが広がって楽しいと思うんだよね。というわけで、プリンで書いてみまーす。

 

"海で食べるプリン"

 オレが海水浴場で日光浴をしていると、物売りの声が聞こえてきた。

 季節は夏真っ盛り。海岸には人が大勢賑わっている。オレは海岸の隅っこの方を陣取り、デッキチェアに寝転がりながら水平線をただ眺めていた。海パン一丁の姿だが海には入らない。もうこの歳にもなると、砂浜で日の光を浴びてるだけで満足なのだ。

 最初、物売りの声は雑音として周囲のざわつきに紛れているだけだった。けれども彼の言葉が理解できた途端、オレの興味はすぐさまそちらへ引かれた。

「プリン、プリンいかがっすかー!」

 プリン?海岸でプリンを売るなんて珍しいこともあるもんだ。アイスや飲み物なら分かるけど、プリンって。

 オレはチェアの横に置かれたテーブルからビール入りのタンブラーを取ると、プリン売りの兄ちゃんを目で追った。クーラーボックスを肩にかけている。恐らくあの中にプリンが入っているのだろう。こんな暑い日にあんな重そうなボックスを持ってプリンを売るなんて、ご苦労なこった。もっとマシな物を売れば良いのに。

 冷えたビールがうまい。プリンなんて売らずに、ビールを売ればいいのだ。プリンなんかよりもよっぽど売れるはずである。利益率も良いはずだ。なぜよりによってプリンなのだろうか。

 オレが疑問に思っていると、中学生くらいの女の子がプリン売りに駆け寄っていった。

「プリン2つ下さい!」
「あいよ。合計で400円ね」

 女の子はプリンとスプーンを受け取る。遠目に見たところ、普通のカスタードプリンのようだ。女の子はお礼を言って、来たときと同じように走って帰っていった。オレが知らないだけで、海でプリンを食べる客は結構多いのかもしれない。今の中高生が何を考えてるのかなんて分かりやしない。それにしてもプリンを買ったあの女の子、とても良い笑顔だったな。彼氏なんかと一緒に食べるのかな。若い。羨ましい限りだ。

 プリン1つで200円か。売り歩いている割には安い。海岸でプリンを食べてみる、というのも意外とオツかもしれない。なんだか無性にプリンが食べたくなってきた。女の子が買ったプリンを見ていたせいだ。あの甘みが恋しい。

「すいません。プリン売りの人、プリン1つ下さい」

 気づいたときにはデッキチェアから身を乗り出して、少し大きめの声で叫んでいた。プリン売りはすぐこちらに気づく。結局、オレはプリンを買ってしまった。プリン売りは客であるオレに軽く会釈したあと、大声でプリンを宣伝しながら人混みへと消えていった。

 

 オレは買った物を確認した。プラスチックのスプーンと、プラスチックのカップに入った普通のプリンだ。底にはきちんとカラメルが見える。さっきまでクーラーボックスで冷やされていたのか、とてもひんやりとしている。

 まあ、ずっと眺めていても仕方がない。こんな真夏日だ。なま物であるプリンなんて、すぐに悪くなってしまうかもしれない。オレは早速カップの封を開け、ビニールからスプーンを取り出すと、プリンをすくって口へ運んだ。

 うん、うまい。滑らかな舌触りだ。少し強めの甘みが舌を通じて脳に伝わる。オレはカップの底にまでスプーンを突っ込み、今度はカラメルと一緒に食してみた。美味しい。甘めに作られたプリン部分とは対照的に、カラメルソースは苦味が強めだった。だが、この炎天下のもとではこの苦味がたまらない。飲み慣れたビールとはまた違う、懐かしい苦味だ。甘みと苦味が口の中で溶け合う。オレは次々とプリンを口へ運び、すぐに全て平らげてしまった。

 海にプリン。案外悪く無いのかもしれないな。もしくは海で食べれば何でも美味しく感じるということか?まあいい。今日は新しい発見があったのだ。

 オレは日光浴の続きに戻った。

 

 それにしても暑い。さっき食べたプリンの甘さがまだ口の中に残っている。暑いし、甘ったるい。オレは口の中をビールで流すため、タンブラーを手にとった。そこで思い出す。カラだ。もうビールが無い。さっき、女の子を見ながら全部飲んじまったんだ。

 予備のビールはもう無く、新しく買うには海の家まで歩く必要があった。海の家はずっと遠くに見える。人混みをかいくぐり、そこまで歩いて行くことを想像して、オレは溜息をついた。

 飲み物はない。口の中は甘ったるい。仕方ねえなあ。オレはデッキチェアから重い腰をあげると、海へ向かって歩き出した。久々に泳いでみる気になったのだ。甘ったるさも海水で流されるかもしれないしな。波がこちらへ打ち寄せてくる。足にかかる水しぶきが思ってたよりも冷たい。

 オレは日光浴をやめたことを一瞬だけ後悔したがすぐに思い直し、頭から海へ真っ逆さまに飛び込んだ。

end

 

う、うーん???うーん・・・はぁ・・・疲れた・・あかんこれ・・・精も根も尽き果てた。なれないことを、深夜にするのはやめよう。もう良く分からなくなってきた。脳が限界。今日はもう無理。ね、寝るのだ。